予防歯科について
むし歯予防は日々の歯磨きが不可欠ですが、それだけではむし歯を完全には予防できません。表面や磨きやすい場所のプラークは歯磨きで落とせますが、どれほど丁寧に磨いても除去できない汚れが残ってしまいます。
歯ブラシで落とすことができるプラークは全体の6割程度であると報告されています。残された約4割が磨き残しであり、これはデンタルフロスや歯間ブラシでも完全には落としきれません。
歯科クリニックでは専門の器具を用いた歯のクリーニングを受けることができ、これは口内のプラークを完全に除去できます。
当院では、このクリーニングに加え、歯の質を強化するフッ素塗布、正しいケア方法を丁寧にお伝えするブラッシング指導、むし歯になりにくい食習慣のアドバイスなどを予防歯科診療として行っています。なお、歯科クリニックで塗布するフッ素は市販のものより高濃度ですから、より効果が高くなっています。
エビデンスに基づいた予防
むし歯や歯周病は治療法や予防法が確立しています。特に歯科医療先進国スウェーデンで広く行われている予防法はその効果の高さが科学的に実証されていることから、当院ではこれを取り入れ、患者様ごとに口内データの取得と分析を行い、その結果に合わせて最適な予防プログラムを作成しています。
【来院頻度について】
平均的に3か月に1度ご来院されている方が多いです。これは、どんなに丁寧に歯磨きをしていても3か月間でプラークと言われるむし歯や歯周病などの原因になる菌がたまってきてしまう為です。3ヵ月に1度ご来院頂き、クリーニングを行うことで菌や歯石を除去し、むし歯や歯周病になるリスクを抑えるために当院では毎月約200名近い患者様がご来院されております。
予防プログラム
口腔内検査
口内の状態、歯質、むし歯・歯周病リスクなどのデータを取得して分析します。
カウンセリング
これまでの歯科治療経験や既往症の有無、ライフスタイルや食習慣などについてうかがいます。口内に関するお悩みや疑問などがありましたらご相談ください。
ブラッシング指導
歯ブラシの握り方、向きや力の加減、動かす方向など、箇所に合わせた最適な磨き方を丁寧に指導しています。模型なども用いて、できるだけわかりやすくお伝えしています。また、デンタルフロスや歯間ブラシなどの使い方についてもしっかりお教えしています。
PMTC
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth cleaningの略でプロによる専門の機器を使った歯のクリーニングです。歯科医師や歯科衛生士が歯ブラシなどでは落とせない場所の汚れまで徹底的に落とします。その為、予防には非常に有効な手段です。歯の表面がツルツルになるので、プラークがつきにくくなるというメリットもあります。
フッ素塗布
きれいになった歯に高濃度のフッ素を塗布します。フッ素にはむし歯になりにくくする効果と、歯の質を硬くする効果があります。
アドバイス
なにを、いつ、どう食べるかという食習慣は、むし歯や歯周病リスクと大きくかかわっています。そこで、むし歯や歯周病になりにくくする食生活などについてアドバイスを行っています。また、ライフスタイルに合わせた注意点などもお伝えして、口内の健康を長く保っていけるようサポートしています。
生涯、ご自分の歯で食事を楽しんでいただくために
当院では、むし歯や歯周病を予防するだけでなく、良いコンディションの口内を生涯にわたって保ち続けることにつながる予防を心がけています。
リスクを抑える予防診療
歯並びや詰め物、被せ物などは口内環境を大きく左右するため、口内の状態によっては部分的な矯正やよりリスクの低い詰め物などに取り換えることが有効な場合もあります。むし歯や歯周病が再発しやすいというお悩みがある場合にはお気軽にご相談ください。
かみ合わせの調整
かみ合わせが悪いと特定の歯に大きな負担がかかり、歯の欠けやヒビなども起こりやすくなります。そして、負担がかかる部分はむし歯や歯周病リスクが大幅に上がってしまいます。
また、顎はとても大きな関節ですし、頭や首という大事な部分にとても近いため、かみ合わせが悪いと慢性的な肩こりや頭痛などを起こしやすくなります。
しっかり噛むことができなければ消化器にかかる負担も大きくなります。そして「噛む」ことは脳の活性化にも役立っているとされています。
かみ合わせはちょっとしたことでも変化しますので、定期的に確認することをおすすめしています。
健康寿命を延ばすために
歯を健康に保つことは健康寿命と大きくかかわっています。そして、健康な歯でしっかり噛むことも健康に大きく役立ちます。いくつになってもご自分の歯でしっかり噛んで食事ができるように効果的な予防を行っていきましょう。
脳の活性化
噛むことは顎を開けたり閉じたりを繰り返す運動です。この運動により脳への血流が促進され、十分な酸素と栄養が送られた脳が活性化します。
表情の若々しさ
食べ物を咀嚼する時には、口周辺の筋肉を使います。よく噛むことは口周辺の筋肉の衰えを防ぎ、いきいきとした若々しい表情を保つことにつながります。
がんリスクの低下
唾液には酵素が含まれています。この酵素は発がん物質の発がん性を消す作用を持っているとされています。食事の時によく噛むことで、がんリスクを下げる効果も期待できます。